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「買い物弱者」とは
買い物弱者とは、食料品を買い物できる店までの距離が500m以上離れて、車の運転ができない65歳以上の高齢者のことです。
食料品アクセス困難人口とは、店舗まで500m以上かつ自動車利用困難な65歳以上高齢者を指します。店舗は、食肉、鮮魚、野菜・果実小売業、百貨店、総合スーパー、食料品スーパー、コンビニエンスストアが含まれます。
農林水産政策研究所 食料品アクセスマップ
年々増加する「買い物弱者」
徒歩で行けるスーパーもなくなり、コンビニも次々と倒産
スーパーやコンビニまで500m以上離れて、車を運転できない65歳以上の人口は、年々増加しています。
買い物弱者の人口は2018年に824万人、2025年には1000万人を突破する見込みです。
団塊世代が75歳以上になる2025年に、買い物に不自由する人が1000万人いる状況では様々な問題が想定されます。
買い物できない≒外出できない
買い物弱者と言われる人は、外出するハードルが高くなっているので、外出する機会も少なくなります。
65歳で定年を迎えて、退職したシニア世代。
車などの移動手段がなくなれば、家に引きこもる生活を余儀無くされるでしょう。
家でできる趣味や楽しみがあれば良いですが、特にすることなく家に引きこもれば、間違いなく脳に悪影響を及ぼします。
家に引きこもる時間が長いほど、認知症になるリスクが高まります。
運動もしない。
脳も動かすこともしない。
テレビを見て、飲み食いするだけの生活。
365日家の中で過ごし、変化が乏しい生活を送れば、身体機能も思考能力もみるみる低下していく恐れがあります。
逆に70歳、80歳になっても夢や希望をもってエネルギッシュに活動されている人は、身も心も若いです。
脳も体も動かすほど発達します。
脳も体も動かさないと衰えます。
買い物弱者が解決すれば、寝たきり老人も解決か
買い物弱者は、外出する機会が少ない人です。
外に出ず、家で過ごす時間が長くなればなるほど、身体機能も認知機能も低下しやすいです。
若い人でも病院で1週間入院生活をすれば、筋肉量が減り、仕事の感覚が鈍ります。
まして65歳以上の人が、家で長期間、引きこもり状態になってしまうと認知症になる可能性があります。
たとえ認知症にならなくても、家の階段につまづき骨折して、入院。
その後、車椅子生活というケースが起こり得ます。
寝たきり老人と言われる人が増加した一つの要因が「買い物弱者」かもしれません。
買い物弱者の問題を解決すれば、日本の高齢者の精神衛生は大幅に改善されるでしょう。
買い物弱者の具体的な解決策を考える
買い物弱者の問題を解決するには
- 外出する移動手段
- 買い物できる店
の2つの側面を解決しないといけません。
免許返納しても運転できる安全な車を開発できないか
買い物弱者になるキッカケは様々ありますが、運転免許書の自主返納によって買い物弱者になっていく高齢者が多くいます。
自主返納の件数は年々増加していますが、
路線バスや電車などの「高齢者の足」となる交通手段は年々縮小しています。
運転免許書を返納してしまうと、まともに買い物できない人が多く存在しています。
田舎の過疎地なら、最寄りのコンビニまで車で10分かかることも珍しくことではありません。
都心部でもイオンモールなどの大型ショッピングモールが郊外にできることで、都心部の商店街が寂れてシャッター通りになってしまっている地域も問題になっています。
農林水産省は買い物難民が増えている原因として、高齢者人口の増加に加え、飲食料品店が減少していることや大型商業施設の立地場所が郊外化していることなどを挙げています。こうした傾向が続く限り、高齢者の買い物難民の増加は避けられないとも言えるでしょう
引用元:高齢の交通弱者を救う次世代モビリティ最新事情!買い物難民1千万人時代はすぐそこに
高齢者の運転による死亡事故を減少させることも重要ですが、免許返納後の高齢者の移動手段をフォローすることも重要です。
免許返納して、減少する「死亡事故」。増加する「引きこもり」。
この問題を解決するために、死亡事故を起こしにくい安全な車を開発できないでしょうか?
車で死亡事故を起こす主な原因は、スピードの出し過ぎです。
スピードが遅いほど、ハンドル操作する時間にゆとりを持てます。
車で5〜10分ほどのコンビニやスーパーに買い物に行くのに、時速100kmで走れる車はオーバースペックです。
近所のスーパーの買い物なら、最高速度50kmで走れる小型の車で十分です。
四人乗りの車より、二人乗りの車は軽くなります。
車両が軽いと、事故で衝突した時の衝撃も小さくなります。
車の事故の衝撃のエネルギーの大きさは「車の質量」と「車の時速」で決まります。
車の事故の衝撃のエネルギー=1/2×車の質量×((車の速度)の2乗)
仮に、質量mの車両にvの速度が生じているとき、この車両が持っている運動エネルギーは1/2mv2となります。
車の質量が1/4カットされれば、車の事故の衝撃のエネルギーは3/4に減少します
「自動車」の中でも乗用車であれば、現在は軽自動車で1トン弱、普通車のセダンなどでで1~1.5トン程度、大型のミニバンやSUVでは2トン前後です。これらはあくまで車両重量ですから、人などを含めた総重量としては数百kg増えます。
引用元はこちら
四人乗りの車より、車幅の小さい二人乗りの車であれば、細い路地でも小回りが効きやすいです。
免許書を自主返納しても、運転できる50ccの4輪車の原付のようなものが開発できないでしょうか?
例えば、原付エンジンを積んでいる50ccのミニカー「アビー」のような車なら、高齢者の人も安全に快適に運転しやすいと思います。
自主返納しても、原付教習試験を合格すれば運転できるように「法整備」をすれば、諦めていた買い物や外出が可能になる高齢者も多くいるはずです。
例えば、仙台市内なら原付免許で「50ccの一人乗り自動車」を運転できる「仙台市の条例」を作成すれば、仙台市で外出して買い物を楽しむ高齢者の人が増えることでしょう。
いきなり「条例」や「法律」を変えるのは現実的ではないので、
まずは「教習所」などの「広い場所が取れる”私有地”」で「50ccの一人乗り自動車の試乗会」をしてもいいかもしれません。
「50ccの一人乗り自動車の試乗会」なら、今までにない新しい取り組みとして「50ccの一人乗り自動車を製造する中小企業」や「買い物弱者問題に取り組む自治体、NPO」と一緒にやっても面白いかと思います。
試乗会で、50ccの車が気に入った人には、車のリースを1ヶ月してみませんか?と話をつなげることも可能です。
駐車場やマンションの経営者なら、50ccの一人乗り自動車のカーシェアリングをしてみるのも良いと思います。
このように50ccの一人乗り自動車の利用者が増えれば、条例などの法整備の話も現実味を増して議論ができます。
「ネットスーパー」の可能性
マイクロカーなどの一人乗りの車で、安全に運転できる高齢者が多くいるのではないかと提案させていただきました。
次に、「買い物できる店」として「ネットスーパー」を紹介したいと思います。
対応しきれていない地域はありますが、47都道府県でネットスーパーで買い物ができます。
私の住む宮城県なら、
- イトーヨーカドーのネットスーパー
- イオンのネットスーパー
- 楽天西友のネットスーパー
が対応しています。
実際にネットスーパーで注文してみました
実際に楽天西友のネットスーパーで注文してみました。
12/18の13時では、当日配達は出来ませんでした
初めてのネットスーパーでの買い物でしたが、10分ほどで出来ました。
自宅や勤務先でも、スマホから買い物できるのは便利です。
Amazonなどのネット通販サイトで買い物されたことがある方なら、会員登録して、すぐにネットスーパーで買い物できると思います。
スーパーに行って、実物を手に取って買い物できないデメリットもありますが、10分足りずの短い時間にパッと買い物ができるのもネットスーパーならではの特徴かと思います。
実際にネットスーパーで注文すると、指定の時間帯で、軽ワゴンの運転手さんが私のアパートまで注文品を届けてくれました。
ネット注文して、「レジ袋2つ分の商品」と「A4サイズの納品書(領収書)」を受け取るだけで、今回の買い物が済みました。
地域の商店街のものが買えるネットスーパーを作れないか?
今現在、ネットスーパーを展開しているのは大手スーパーが中心です。
地域の商店街のものも、店のホームページから購入できるところがあります。
地域の商店街にある八百屋、肉屋、魚屋、惣菜屋、服屋、本屋、文房具屋などの商品を「1つのサイト」で購入できる「●●地区商店街のネットスーパー」が作れないでしょうか?
ネット通販サイトは、作ろうと思えば誰でも作れるようなので、
あとはネットスーパーに出品してくれる商店街の協力と理解があれば実現可能だと思います。
しかしネットスーパーは、残念ながら人々に広く浸透していません。
こういう私もネットスーパーなる存在を知っていても、実際に利用したのが2021年12月18日とこのブログを書いた日が初めてでした。
ネットスーパーが普及しない一つの理由は、配達員が十分に確保できていないことが考えられます。
商品の在庫も十分にあり、
ネットスーパーできる立派な通販サイトがあっても、
ネットスーパーが市民権を獲得できていないのは、
スーパーに求められる低価格で、
商品を配達する手段がないからだと考えられます。
ネットとは言え、スーパーで2000円の買い物するのに、配達料330円が発生するのは「正直、高い」と感じてしまう人が多いと思います。
スーパーでは、近隣のライバル店に負けじと1円でも安くと熾烈な価格競争がなされています。
買い物するお客も、シビアな目で商品の品質と値段を見ています。
実物を取って購入できる「信用」と、1円でも安くの「安さ」が「スーパーのウリ」です。
ネットスーパーが普及しない理由は「実物を手に取れない不信感」と「高い配達料」があるからでしょう。
しかし、これは地域密着型のネットスーパーなら克服することができます。
「1回の配達料500円」に設定して
「ネットスーパー配達する仕事」を生み出せば、
サザエさんの三河屋のサブちゃんのような「御用聞き配達サービス」としての仕事の可能性があります。
私のイメージとしては、商店街専属のUberEatsです。
商店街のネットスーパーを立ち上げて、
その商店街の商品を届ける専属配達員。
UberEatsの一回の配達報酬は「300円〜600円」
ネットスーパーの注文の回数を重ねていくごとにお得意さんと、商店街の店員の間を繋ぐメッセンジャーの役割も果たせます。
また、一人暮らしをする70歳のおじいちゃんが定期的にネットスーパーで買い物することによって、御用聞きのような配達員との会話で、地域の商店街との交流も図れます。
すこし足を伸ばせば行ける商店街の商品。
ネットスーパーのサイトで、商店街の魚屋の店長がYouTubeで宣伝することも可能です。
ネットスーパーのコメント欄でも、配達員にも、ネットスーパーで購入した商品の感想や要望を店側にフィードバックすることができます。
購入していくにつれて、商店街の魚屋の店長の顔も名前も性格も考え方も、ネットスーパーで購入した商品を通じて見えてきます。
まだまだ机上の空論に過ぎない構想ですが、買い物弱者が1000万人を突破する2025年の日本において「新しい仕事」になる可能性があるのではないかと思い、今回のブログを書かせていただきました。
買い物弱者も、寝たきり老人も一人もいない世界をつくりたいです!
最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
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